スピリチュアル系3話 -第1話- レイキとオラクルカードを記憶に残してくださったスタッフさん vol.1(2011年42歳)

忘れもしないこの年の春。「人生の暗黒期」が盛大に開幕した。
次から次へと押し寄せる不測の大事態とともに、過酷で遠大な自己変容の旅が始まったのである(2022年現在で思い返すと、10年間続いた)。

この頃の私は、ひとりになるといつも泣いていた気がする。
外界で巻き起こるショッキングな難題だけでも満身創痍なのに、思い通りにならない己の内面とも取っ組み合いの大激闘をするという、まさに傷口に塩、孤軍奮闘、人生ハードモードな日々に、人知れずひっそり悶え苦しんでいた。

そんなある日、ひょんな成り行きから「オラクルカード※1」と「レイキヒーリング※2」に出逢う。

第一印象は、「へ~こういう不思議なものがあるんだ」と実にライトなもの。
ただ、それらを教えて下さった方とのひとときが非常に感慨深いものとなったため、付随して記憶にしっかりと刻まれた。

そして、その記憶に導かれたかのように、年月を経てそれら2つ共に再会。
今度は自らガッチリと携わることで、自己変容を加速させ、その急激さ故に生じる「成長痛」をもサポートしてくれる、パワフルなツールとなったのだった。

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さて。この流れのそもそものきっかけ、つまり、教えて下さった方との出逢いのきっかけは、地元の健診センターでたまたま受けた“健康診断”であった。

当時そのセンターでは、健診後に受けられるサービスがかなり充実しており、健診者全員にはもれなく「提携喫茶店でのモーニングセット無料券」が、更に婦人科検診を受ける女性には「提携アロママッサージサロンでの20分無料フットマッサージ券」が受付時に配布された。

「む…無料マッサージ!?」
思いがけず手にした、ドリーミーチケット。心身ズタボロな私は、当然激しく食いついたのである。
もはや、脳内はマッサージ一色。健診もモーニングもそこそこに済ませ、すがるような思いでサロンへ急行したのだった。

地図を辿って到着したのは、健診センターにほど近い、古い雑居ビルだった。
その一室に、サロンはひっそりとあった。
扉を開けると、室内はアットホームな和みの空間。こぢんまりとはしているものの、同時に複数名を施術出来るようになっている。

ただし現状、先客お二人に対し細身のスタッフさん(お見受けするに、私より7・8歳上であったかと)がおひとりだけ。
『おお、これはかなり待つことになりそうだな……。でもまあ、無料でしていただくんだし、私の健診の順番も最後の方だったから仕方ないね……』
私は覚悟して雑誌を広げ、長期戦に備えた。

ところが。その後間もなく、お二人ともあれよあれよとご退店。
想定外の早さで順番がやって来て、軽い問診後、早々にマッサージはスタートしたのだった。

スタッフさんは、多くを語ることのない、とても慎み深く穏やかな方であった。
技術力も素晴らしく、とにかく丁寧。誠意がひしひしと伝わって来る。
『ああ、やっぱり人の温もりはいいなぁ……。こんなに素晴らしいマッサージが無料とは……』
ありがたさをしみじみ噛みしめる、弱り切った私。
そんな心身をそれとなく察知して下さったのか否か、スタッフさんは全くのご厚意で「レイキヒーリングも受けてみませんか?」と静かにご提案下さった。


……つづく


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