客と垣根のない、正直な不動産スタッフさん:1/2話

◆女性スタッフさんの職業病を知る(2018年 49歳)


東京のちょっとおしゃれな沿線駅にて、賃貸部屋(作業用)の内見した時のこと。
同行下さったのは、若い女性スタッフさん(30代半ば位)で、内見予定件数は3件(自分検索:1、スタッフさん検索:2)。
どれも駅から離れていたため、車での移動となった。

スタッフさんは、理知的で実直そうな方であった。
道中、この地域が全くの初見である私に、街紹介も簡潔にして下さりながら、スムーズに1件目に到着し、淡々と終了。
そして、いよいよ本命の2件目へ向かった。

……と、間もなく到着という車内にて、どういう話の流れだったか、急に私的なお話をされたのだった。
「仕事柄、友達に住まいの相談をされることが多いんですけど、その子達の結婚相手や付き合っている人の年収を知る度に、つい(頼まれてもいないのに)住宅購入などの将来設計の計算をしてしまうんです……。それで先々が難しそうだと、その彼で大丈夫なのかと結構心配になってしまうんです。ハッキリは言いませんが……」

スタッフさんはそうおっしゃると、正義感が強そうな横顔を明らかに曇らせ、車を停車させた。
車を降りた私は、その聞いてはならぬような告白の重さに、心に脂汗をかきながら内見をしたのだった……。

このように、なんと言うことなく初対面の私に自己開示をされたスタッフさん。
やはり、最初に感じた印象通り実直な方であり、それは例えば、ちょっと寂れた内見3件目では「イナダさんは、こういうところはやめた方がいいです!合っていないと思います!」とキッパリ言い切って下さったり。
更には、私が東京の賃貸事情に明るくないのを知ると、希望の家賃や私自身に合うかどうかなどを熟考し、最終的には彼女が担当するにはかなり遠い別の地域を勧めて下さったりした。
つまり、ご自身の売り上げ実績云々ではなく、本当に相手に合った提案をして下さったのである。

その誠実さに私は大感激。感謝の言葉とともに、心の中でひっそりと合掌した。
……とは言え、業界の裏事情(?)を知ってしまったことは、結構な衝撃。複雑な心境は残っていたので、とにかくスタッフさんの友情に変なヒビが入らないことも心から願ったのだった。





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