心の内を吐露するヒーラーさんたち(2012~2018年 43 ~49歳)

忘れもしない2011年。
2つの突発的大事態が発生したのと共に、10年に渡る怒涛の自己改革期が開幕した。

絶え間なく襲いかかって来る不可抗力な難事に、心の沼底でひとりもがく日々。
そればかりか、その沼で出逢った己ともガチンコ対決することに……。

私は、連戦に次ぐ連戦で、流す涙も見えぬほど泥まみれだった。
そして、声なき悲鳴をあげながら激痛に悶え続けたのである。

で、その「ひとり戦乱期」の序盤。己とガッツリ向き合うのがあまりに辛すぎて、どうしても人の手を借りずにはいられず、ヒーリングなどのセッションを受けまくっていた時期があった。(その後もちょいちょい受けていたが、今は晴れて卒業)

どのヒーリングを受けるかは、都度インターネットで検索。あくまでもフィーリングで決めた。
結果、様々なヒーリング法とヒーラーさんに出逢ったのだった。

セッションは、どれも大体カウンセリングから始まった。
けれど、私はそれが大の苦手であった。

だって、相談内容が「▲▲が上手くいかず、辛いです」「眠れません」とかシンプルなものじゃないのだ。
……いやまあ、表面的にはそうだったりもするが、なんかこう……もっと言葉にならぬ、原因不明な重暗い心の辛さ。
……いや、それには同時多発している難事が作用しているとは思うのだが、色々ありすぎて、どこをどう説明していいのか分からないし、根本原因はそれじゃない気がする。

『何とか……何とか感じ取って欲しい……』
そんな一心で、とつとつと説明する。
しかし、見た目平気そうな私を前に(←表面に出にくいタイプらしい)、ヒーラーさんは合点がいかぬような面持ち。
その僅かにこわばったご様子も、傷口に塩であった。

なので、こちらとしてはもうカウンセリングをすっとばして、いきなりヒーリングでも一向に構わなかった。やってさえいただければ、潜在意識下で自動調整出来そうだったから……。

とは言え、皆さんとしてはそうもいかぬ模様。こちらの状態や原因を把握しなければ、ヒーリングのポイントを定められないのであろう。
そのご事情もよく分かった。だからこそ、私は悲しみの上塗りをしながらも言葉を絞り出し続けた。
そしたら、「いつの間にか聞き役になっていた」なんてことがしばしば起こったのである。

話題は「ヒーラーさんご自身のこと」が殆どであった。(←尚、私の話から派生したわけではなく、唐突に発生)
こちらも楽しくなるようなものもあれば、そうでないものも多々。

それらは例えば、「先日海で叫んだら、母に対するわだかまりに気づくことが出来た」「最近顔見知りになった方に、昨日負のエネルギーを飛ばされ大変だった」「孤独死を想像すると不安になるが、迷惑をかけてしまっても仕方ないと思う」など、ちょっと深刻な内容もあった。

……気軽に告げられる、心の深淵。
ヒーラーさんとしては、自らを明かすことでクライアントとの距離を縮めて話を引き出しやすくしたり、何かの気づきになればという思いがあったりしたのかもしれない。

しかし、当時の私はそう捉えられず、『癒しを学ばれた方でさえ、過去の傷を手放せず、今を思い悩み、将来を心配しておられるのだ』『ご自身のことで大変そうなのに、人の事まで大丈夫なのだろうか』と悶々……。
その後、『まあでも、人間だから色々あるのは当然なんだろうな……』と最終的に気持ちを収めるも、人生の「本物の師」を探し求めていたその頃は、少し寂しい気持ちになったり、癒されるどころか逆に落ち着かなくなったりもしたのだった。



こうして回を重ね、数々のお話を聞くうちに、私は皆さんから学びを得ていった。
「メンタル的なことやスピリチュアル的なこと、哲学的なことをどんなに学び深めた方でも、人間として生きる限り、次のステージに上がるための最終試験的難題が必ず何かしら起こるようになっている。だったら、全ての出来事にいちいち感情的に引っかかって反応するのは無意味なのでは?……例え盛大にすっ転んだとしても」

そう、単に起こった事実だけを正視して受け入れ、転んだ先で手にしたもの(気づき)を握りしめて、再び起き上がり淡々と歩き出す。
ただそれだけでいいような気がする。

でもって、一番の肝は『自分に起こること全ては、より良くなるために必要不可欠で完璧なもの』と信じ切って動じないこと。
それが心の恒久平和に繋がり、ひいては人生も取り巻く世界をも穏やかにしてゆくのではないだろうか……。




少々捻じ曲がったこの学びは、きっとヒーラーの皆さんの意図とは異なっていたはず。
しかし、これこそが、その後の私を安定させるゆるぎない礎《いしずえ》となり、自らで心を立てることを覚えた。
真の師は、自分自身しかありえないと腹落ちしたのである。

つまり、結果的に考えると、ヒーラーさんの深刻そうなお話も必要だったということ。
そして、ある意味やはり師でもあったということ。
聞いた直後はあまり気持ちの良いものではなかったが、まあそういうことなのであろう。





余談その1:偶然出逢った偉人のお言葉

「人生の平和は、心の平和から生まれるのでは?」と思い始めた頃、偶然出会った言葉をご紹介する。

IF YOU GET THE INSIDE RIGHT, THE OUTSIDE WILL FALL INTO PLACE.

(自分の内側を正しく整えれば、自ずと外側も収まるべきところに落ち着く)

―Eckhart Toll(エックハルト・トール:21世紀最高のスピリチュアル・リーダー。ニューヨーク・タイムズが「アメリカで最も人気のある精神世界分野の著者」と評した)



余談その2:人生ステージUPの踊り場に立ったら

階段状に上っていくのが人生だとするならば、無意識にでも魂が「nextステージに進むための踊り場」に立った時、最終試験がドカンと起こるようになっている気がする。
仕上がり具合が本物なのかどうなのかが試されるのだ。

それは、いわばボス戦。向き合えるのは、基本自分だけ。他の人の知恵や力を借りたとしても、それら使って戦うのは自分ひとりである。
何故なら、答えは自分の中にしかないから。その人にしか乗り越えられないものであり、その人だからこそ乗り越えられるものだから。そして、ひとりの方がより強くなれる(RPGで言うと経験値が全部自分に入る感じ)。

戦いの方法はそれぞれだが、「真っ向勝負」だけではなく、「距離を置く(時間が解決)」「回避して、ひとまず今通行可能な道へ進む」「逆に受け入れる」なども。

この中で、個人的に難易度高めだと思うのが「逆に受け入れる」。自分自身をかなり変化させねばならないし、より勇気と度量と状況を見極める知恵が必要となる気がする。

ちなみに、「逆に受け入れる」の具体例は、
難事から眼をそらさず、ただただ正視して腹を括る
・自分自身や人と和解する
(自分自身に対しては、「自分はこういうのが苦手・怖いんだな。こういうところもあるんだな」と理解してあげるだけでもOK)
・難事から得た感情エネルギー(例えば怒りなど)を自分の中で増大させ、パワフルに突破!
・向かい来る難事(相手や事象)のエネルギーに逆に乗っかり、自分の枠を超えた未知の領域へ連れて行ってもらう(波乗りサーフィン的であり、ちょっと冒険チック)
……などなど。
要は、過去の傷が癒され(根本から忘れる)自らのキャパが拡大し、新たな世界観をゲットすれば見事ステージクリアとなる気がする。

と言うことで、難事は絶好の機会。
これまでの自分のやり方とは180度違うやり方を色々と試してみるのもよいのかもしれない。
(生き方をまるごと変えなければならないステージの方は特に)


「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」―Charles Robert Darwin(ダーウィン:自然科学者)但し、諸説あり



👆ここからどうするのかは、自分次第。
ひとりではどうにも難しそうなら、どこからか必ず助けが入る。(それを受け取れるかどうかも自分次第)
「はい、やり直し~」と強制リセットとなるのは、外にしか意識が向いていなかった時。問題を全て他の人のせいにしたり、意見に振り回されたり、判断を全投げしたり、世間が正しい・幸せとする常識に己の妙なプライドがひっかかったままだと、いつまでたっても心は自由になれない。自由になれるまで、同じような状況が何度も起こる。
(だって、人生はあなたに自由に楽になって欲しいのだ)




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