タクシー運転手さん、驚異の伝達力(2019年 50歳)

私の故郷は、バリバリの車社会。
そして、実家周辺のバスは1時間に1本あるかないかである。

別に辺境という訳ではないし、人口も増加したりして道路は拡張・延長されているのだが、バスの本数は一向に変わらず。
車が無いとなかなかに厳しい環境なのである。

しかしそんな中、父が他界したことにより、実家では車を手放すことに。
母娘とも何かとタクシーを使わざるを得なくなったのだった。

なお、母は生粋のペーパードライバー。
30代後半に取得して何度か運転した後、「怖い、向いていない」と嫌厭《けんえん》。
その後、当たると評判の占い師さんに「あなたは運転しない方が良い」と相談してもいないのに断言されたり、父から「運転するな」としきりに言われ続けたこともあり、免許証はいよいよ単なる証明書と化した。
なので、父亡き後はあっさり車を手放したのであるのである。

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タクシー乗車が増えつつあったのは、正確に言うと父が入院した時からだ。
片道20分程の病院へ通うため、母娘で頻繁にお世話になっていた。

ちなみに、買い物は私が父の車を運転した。
しかし、なにしろこっちもペーパードライバー歴18年。
もともとそんなに道は知らず、人口増加により高校時代からガラリと変わってもはや見知らぬ地である故郷を、カーナビ無しで運転するのは結構なハードモードであった。
しかも、皆さんなかなかに荒いドライブテクニックだったり、お年寄りのうっかり運転も多かったりする地域なので、私は母の要求に全ては答えず、運転を最小限に留めた。
だって、一大事(父のかなり重篤な癌)の上に一大事(事故)が重なってしまっては大変だ。

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閑話休題、こうして急激に実家のタクシー需要は高まった訳だが、現在は、母の遠方への買い出しや病院、父のお墓参りに行く時などなど、結構お世話になっているようだ。

運転手さんの皆さんは、殆どがおじさま世代で、穏やかで優しい方が多い。
昔は運転手さんに限らず、地域全体の皆さんが「粗めキャラ」だったのだが、若者が減り、変わっていったのかもしれない。

また母曰く、運転手さんの減少により、度々同じ方にあたり、顔なじみになることも多いとか。(←私ほどではないが、母も見知らぬ人に話しかけられやすい)
でもって、過去に私を乗せた事のある方だと、「娘さんは元気ですか?」「娘さんは帰ってこないの?」と毎度聞かれるのだそうだ。そしてしまいには、「娘さんは偉いもんね~」とまで言って下さり、何が偉いんだかさっぱり分からない母娘としては、困惑するのだった。

……ま、まあそんな話の広がりっぷりは、田舎ならば普通なのかもしれない。
ただ、先日母が父のお墓参りに行った際、知らない運転手さんだったのにもかかわらず、その方にも「娘さんは帰って来てないの?」と聞かれたのだそうで、これにはさすがの母も引いたらしい……。

我々母娘は、一体どんな風にタクシー会社の中で伝わっているのか。
私は語り継がれる伝説なのか(←違う)。
何だか色々気になる、故郷のタクシー事情なのであった。



いらすとやさんの画像を初めて使わせていただきました!
安定のクオリティとかわいさですね*
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