地元愛希薄な楽しい店員さんたち(2010年 41歳)

三重県へ風水開運ひとり旅。
お目当ては、伊勢神宮と椿大神社参拝であり、宿泊先は四日市駅周辺である。 

四日市駅は、伊勢神宮へは電車で1時間半位、椿大神社へはバスで1時間位と、少々離れた位置ではあるが、両社へは乗り換えなしのシンプル行程。
また、開運行動(開運食材を食べたり、開運土産を買ったり)するには、百貨店や大型スーパーなどもあり便利そうだったので、あえてそこに決めた。

ちなみに今回は、自宅から「西方面」への旅行なので、「レース付き下着を買う」が開運行動のひとつ。
なので、ホテルで荷解きを終えた後、早速とある商業施設の下着売り場にて物色。女子力低めな私好みの、申し訳程度にレースがついた一品を手に、そそくさとレジへ向かった。

レジのご担当は、私より少し年下であろう女性で、お会計後「ポイントカードの有無」と「作成するかどうか」を尋ねて来られた。
私は「持ってませんが、旅行者なので大丈夫です」と、余計なやりとりが生じないよう理由を含めご辞退した。

ところが、その回答に好奇心をくすぐられたご様子の店員さん。「どこから来て、どこに泊まるのか」という質問を、なんとはなしに投げかけて来られた。
対して、私もなんとはなしに答える。
 ……とその瞬間、店員さんはスッと真顔になって目を丸くし、激しく迫ったのだ。
「えっ!!何で神奈川からわざわざ四日市に!?どうして!?」
「えっ!?」
 私は慄いた。
『え?え?何でそんなに驚くの?四日市は有名だから、全国から泊りに来る人が多いのでは?』
驚きの理由が分からず、少々答えが遅くなる。

すると、私たちのワチャワチャ声につられたのか、少し離れた所で商品整理をされていたもう一人の女性店員さん(同じく私より少し年下な模様)も、「なんだ?なんだ?」というワクワク顔でご登場。
しかし、早々にレジの店員さんから説明を聞くと、
「えー!!なんで四日市なんかに!?何もないのに!」
と瞬時に真顔。レジの店員さんと見事なシンクロを果たし、しかも全力で地元否定をされた。

思わぬ反論勢に押された私。慌てて「お伊勢参りをする予定がある」ことを補足したところ、「ああ~なるほど…それで!」と、ようやく場が沈静化。
しかしすかさず、「でも、四日市じゃなくても……ねぇ?」と顔を見合わせるお二人……。
その「素」の姿がおかしくてかわいくて、私は大笑い。瞬く間に和やかムードが広がったのだった。

最後、お二人は「四日市は何もないですが、よい旅を!」と笑顔で見送って下さった。
もうおかしくてたまらない私の心は、温かなオレンジ色でポッポしていた。
とても嬉しかった。

「またいつか二社を参拝する時は、絶対四日市に泊まろう!」
飾ることのなかったお二人に心の中で感謝しつつ、私はそう心にメモし、ホッコリ顔で店を後にした。



ガラケー撮影のため、とんでもなくピンボケしておりますが、
 向こうの煙は、かの有名な四日市工業地帯(石油コンビナート)。
 その夜景はちょっと近未来的で、非日常感たっぷり。思わず見とれました。
 のちに調べたところ、日本五大工場夜景(北海道室蘭市、神奈川県川崎市、
 三重県四日市市、山口県周南市、福岡県北九州市)の一つなんだとか。




余談その1:実際、四日市市はよいところ

お二人には散々な言われようだった四日市であるが、私からするとお世辞抜きに素敵な街であった。
駅周辺の道幅は広く整然としており、立派な街路樹もそれはそれは美しく、何しろ街全体がスッキリ開放的で実に清々しい。
立派な公共施設やちょっとした緑地も、プチ散策には嬉しかった。

また、地元の方々も素敵。本エピソードの店員さん以外にも何人かとお話させていただいたが、皆さんフレンドリーでおっとりされていて、なんかかわいい!何度心を和ませていただいたことか……。
適度な関西弁(?)も、私には魅力であった。


「口紅を買うと吉」と言うことで、デパートの外資系化粧品店も訪れた。
 ご担当は気さくでかわいらしい若き女性で、色味を見比べるため手に塗って
いただいた際、家事で荒れ放題な私の手を褒めて下さった。
 お世辞だと分かっていても嬉しかった。 ほんと、皆さんかわいかったな~。




余談その2:風水開運旅のご利益

二社を参拝したご利益は、正直あったと思う。
ただし「すごくラッキーなことが起こった!」という分かりやすい幸運ではなかったが、この参拝を境に想定外のことが次から次へと起こり始め、怒涛の人生改革がスタート。私の人生は大きく変わり始めたのである。

そう、何しろ伊勢神宮には「新しい自分に生まれ変わらせて下さる」ご利益、椿大社には「向かう道を示し、運気をリセットして下さる」ご利益があり、私はそれらを願ったのだ。
参拝したことで、本当の自分で本当の道を歩めるようになった、そんな気がしてならない。




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